Raspberry Piの初期設定をキーボードとディスプレイ無しで実行する
こんにちは.
多分以降の記事でご紹介しますが,wicd-cursesというアプリケーションをインストールしようとした時にうまく行かず,再起動したところ起動すらしなくなりました.色々調べたところloader.binというファイルが壊れていそうだったのですが,直し方がよくわからなかったのと,使用していたSDカードの容量も小さかったので,大きい容量のSDカードで再度セットアップすることにしました.
そこで問題が発生したのが,私はUSBキーボードを持っていないということです.
そこでSSH接続のみで設定を試みることにしました[1].
実施した環境
MacBookAirからラズパイへSSH接続を使って設定を行います.
Micro SDカードはクラス10の32GBのものを使用しました.
そこにOSのイメージファイルを書き込むのは,iMacを使用しましたが,SDカードリーダライタを持っていればMacBookAirからでも実施可能なはずです.
ラズパイはMacBookAirが接続しているルータに有線LANを使用して接続しました.
実施手順
1. OSのインストール
ここからRASBIANのイメージファイルをDLします.これはSDカードライタのあるMacでDLしてください.結構時間かかります.私の時は40分位かかりました.
2. SDカードへの書き込み
以前Noobsを書き込んだ際はドラッグ&ドロップで書き込みましたが,今回は最初からラズパイがOSを起動できるように書き込む必要があります.
まずディスクユーティリティでSDカードのフォーマットを行います.fig. 1を参考に,MS-DOS(FAT)形式でフォーマットしましょう[2].
次にターミナルを起動し,下記の通り入力してSDカードのpath(場所)を確認します.
diskutil list
以下のように表示されます.SDカードのpathは/dev/disk1であることがわかりました.
下記のコマンドでSDカードをアンマウントし,上書きできるようにします./dev/disk1の箇所はSDカードのpathですので,異なるpathの場合は適宜読み替えて実行してください.
diskutil unmountDisk /dev/disk1
次に先ほどDLしたraspbian OSを解凍し,そのpathを控えておきます.ファイルを右クリックし,情報を見るでpathは確認できます.
そしてターミナルで次のコマンドを実行します.赤文字のところがraspbian OSのpathです.
sudo dd bs=1m if=path_of_your_image.img of=/dev/disk1
実行するとパスワードを求められますので,Macのパスワードを入力してEnterを押しましょう.結構時間がかかりますので,待ちましょう.
3. ラズパイを起動
SDカードへのディスクイメージの書き込みが完了したらラズパイに差し込み,有線LANケーブルを接続し,USBで給電します.しばらく待つとRaspbianが起動し,DHCPによりIPが割り当てられ,インターネットに接続されますので,ルータからラズパイのIPを調べます.ルータの設定画面への入り方はルータの説明書を確認してみてください.私の場合ルータに接続しているPCから192.168.11.1にアクセスすると入ることができました.
でもそんな難しいことをしなくても,iOSデバイスがあればFingを使えば一発でIPを調べられます[3].
下記のコマンドを実行します.赤文字のところはラズパイのIPアドレスです.
ssh -l pi 192.168.11.50
初回だけ接続するかどうか聞かれますので,
yes
と入力し,続けます. 次にパスワードを求められます.初期パスワードはraspberryなので,それを入力します.
raspberry
※パスワードは打ち込んでも画面には表示されません.
これでログインが完了しました.
4. Raspi-configの設定
ログインした下記のコマンドで設定画面を開きます.
sudo raspi-config
下記の画面が表示されます.
設定項目を羅列していきます.
1. Expand Filesystem
SDカードの使用可能領域を増やします.デフォルトでは容量を最大限使えませんので,これを実行してフルに使用できるようにします.
2. Change User Password
デフォルトのユーザー「pi」のパスワードは「raspberry」に設定されています.ここでパスワードを変更しておきましょう.
3. Internationalisation Options
a. Change Locale
ここは変更しなくてOKです.
b. Change Timezone
AsiaからTokyoを選択します.Japanでないことに注意が必要です.
c. Change Keyboard Layout
多くの方は日本語キーボードを使用されていると思いますので,これを選択し,設定します.選択しなくとも今接続しているキーボードの自動で設定される?ようです.
4. Advanced Options
a. SSH
これは今ログインできている時点で使えるはずなのでEnabled(有効化)は不要だと思いますが,念のため,ここでSSHの有効化/無効化を切り替えることができます.
b. I2C
ちょっと後でI2Cを使用するので,有効化しておきます.I2Cについてはその時に説明します.
すべて設定し終わったらFinishを選択し,raspi-configから出ます.再起動するという確認画面が出るので,OKを選択して再起動します.
5. 必要なアプリケーションのインストール
以下のアプリケーションをインストールします.これは渡しの場合ですので,他に必要なものがあればそれぞれインストールしてください.先にapt-getのupdateとupgradeを行います.
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
インストールしたアプリは以下のとおりです.
a. avahi-daemon
Bonjourを使用するためのアプリケーションです.
VNC接続を利用してMacからGUIを使うためのアプリケーションです.
c. git-core
Gitのリポジトリを取り扱うためのアプリケーションです.
d. WiringPi
C言語でラズパイのGPIOを取り扱うためのアプリケーションです.インストールするためにgit-coreが必要です.
e. LIRC
赤外線などのリモコンの信号を取り扱うためのアプリケーションです.
f. ttytter
ラズパイ用のTwitterクライアントです.ついでにoAuthの認証も取得してしまいました.
g. WebIOPi
ブラウザからHTTP経由でラズパイのGPIOを制御するためのアプリケーションです.
6. 無線LANの設定
WPAの場合はこちら,WEPはこちらを参考にして,設定します.
これらの設定が完了したら,ラズパイの電源を切り,有線LANを抜いて無線LANアダプタをUSBに挿して再度電源を投入しましょう.無事SSH接続できてインターネットに接続されていれば成功です.私の場合同じIPなのに以前とコンピュータが変わっているので(SDカードを変えて再インストールをしたため),もう一手間必要でした.次回説明します.
参考文献
[1]blog.nambo.jp「Raspberry PiをUSBキーボードもディスプレイも使わずにセットアップする方法」(http://blog.nambo.jp/2013/07/23/raspberrypi-mac-osx/)
[2]ある通信大学生の憂鬱「MacでRaspberry PiのOSをSDカードに書き込む」(http://blog.livedoor.jp/blackout__/archives/1003427041.html)
[3]ものづくりブログ「ラズパイのIPアドレスをiPhoneから調べる方法」(http://daisukekmr.hatenablog.com/entry/2015/01/22/171350)